膵臓の病気・IPMNについて

膵臓(すいぞう)」という言葉を聞いたことがあると思います。大事な内臓の一つなのですが、心臓や肝臓に比べて実態が分かりにくい部位かもしれません。膵臓は数ある内臓系の重要な仕事である「消化」などで非常に大切な役割を担っています。胃液は酸性度が高いですが膵臓で作られる膵液のアルカリ性で中和したり、血糖値を抑える「インスリン」もここで作られます。もちろんここ膵臓でも気をつけておきたい病気はいくつかあります。「IPMN」という病名をご存知でしょうか?これはもちろん略称で、正式には「膵管内乳頭粘液性腫瘍」といって膵管に出来る腫瘍のことです。膵管は膵液を分泌する消化にとって重要な場所です。この膵管に、粘液のように粘り気のある小さな袋のようなものが出来てしまう病気です。「膵嚢胞」とも呼ばれるこの小さな袋は良性のものもあるのですが、粘り気を伴った膵嚢胞は腫瘍性のものです。膵液というものは通常さらさらした液体なのですが、こういった粘液性腫瘍はねばねばした粘液が膵管に溜まってしまう非常にやっかいな病気です。どういった人がこのIPMNになるのかと言いますと、アルコール摂取量が多い人や喫煙する人になります。遺伝による所も大きいのですが、こういった生活習慣も発症率に関わってきます。膵臓に関する病気ではやはり飲酒や喫煙が関わっていることが多いので注意が必要です。「膵がん」という病気がありますが、この病気は早期発見されることが少ないことで知られています。しかしながら、この膵管には良性のものからねばねばした膵嚢胞まであって段階的に分かりやすいです。IPMNを発症すると、そのままがん化しやすいため膵管の異常をIPMNがきっかけでいち早く知ることが出来るとも言えます。がんの早期発見はとても重要なことですから、こういった膵嚢胞のようなものにも注意が必要ですね。